Grafana Tempoとは
Grafana Tempoは、分散トレーシングデータを効率的に格納して検索するためのオープンソースの分散トレーシングバックエンドシステムです。Grafana Labsによって開発されたこのシステムは、特に大量のトレースデータを扱う際のコスト効率とスケーラビリティに焦点を当てています。Grafana Tempoは、Grafanaと統合することで、視覚的なトレースデータの解析やデバッグが容易になります。主な特徴は以下です。
- コスト効率: Tempoはデータを格納するために、高いストレージ効率を持つオブジェクトストレージを使用します。これにより、オンプレミスやクラウド環境での運用コストを削減できます。
- スケーラビリティ: 大規模なデータセットを扱う能力があり、様々な規模のデプロイメントでの利用が可能です。
- 統合性: Grafanaとのシームレスな統合により、トレーシングデータから直接ダッシュボードを作成し、分析することができます。
- シンプルなアーキテクチャ: Tempoはシンプルなアーキテクチャを採用しており、設定や管理が容易です。
- 互換性: 既存のトレーシングフォーマット(例えば、JaegerやZipkin)と互換性があります。
アーキテクチャ
公式より引用それぞれのコンポーネントは以下です。
- Ingesters
- Distributors
- Distributorsは、受け取ったトレースデータを複数のIngestersに均等に分散させる役割を担います。これにより、負荷を均等に分散し、システムのスケーラビリティと耐障害性を向上させます。
- Storage
- Queriers
- Queriersはストレージからデータを検索する役割を担います。ユーザーがトレースデータを要求すると、Queriersがデータを取得し、必要な情報をユーザーに提供します。インジェスターから直接データを引き出すこともあり、これにより最近のデータへのアクセスが迅速になります。
- Compactors